Mystery Paradise

元は今はなきアサヒネットのmystery paradise 会議室の分室のつもりだった。haha

heiji

027 長谷川卓「 高積見廻り同心御用控 百まなこ 」「高積見廻り同心御用控 犬目」「戻り舟同心」「戻り舟同心 夕凪」「戻り舟同心 逢魔刻」「戻り舟同心 更待月」

長谷川卓は最近流行りのTV脚本家あがりの時代物作家ではない、ちょっと硬派の作家です。硬派とはつまり、こう設定してこう書けば受けるだろうなという(まあ、職業としての作家なら大なり小なりあるんだけど、TV時代ドラマつくりにかかわってると、「受けね…

026 野村胡堂「銭型平次捕物控 傑作選1」「銭型平次捕物控 傑作選2」あだち充「虹色とうがらし 4巻」土橋章宏「超高速参勤交代」

盆休み中である。やりたいことは一杯あるのだけれど、crack attack! という落ちものゲームにはまってボーイスカウト時代の一週間キャンプの後半に子ども達がはまった垢こすりみたいなもので時間がつぶれている。こまったものです。 野村胡堂「銭型平次捕物控…

019 吉田雄亮「居残り同心 神田祭」沖田正午「手遅れでござる やぶ医師天元世直し帖」小杉健治「からくり箱 質屋藤十郎隠御用 二」野口卓「闇の黒猫 北町奉行朽木組」

ミステリの時代物といえば捕物帖。古典なら、半七捕物帳に始って、銭形平次捕物控、右門捕物帖が古典のビッグスリー。半七と平次は目明し(岡ッ引)で右門はお役人探偵役の始めで、役人から逸脱し一般町民(貧民か)が探偵役を務めるものの始めは久生十蘭の…

018 半村良「かかし長屋」 陣出達朗「伝七捕り物帳(一)」千野隆司「夏初月の雨」

冬休みの三日目である。なんでこんなに早く休み入りしたかというと、現場作業内容が一段落して、列車見張員がいらなくなったのと、他現場も似たようなもので警備員の立哨ポスト数が減って人が余りだしてるはずなので、勝手休みをとってもいいだろうと思った…

017 佐々木味津三「旗本退屈男」佐野洋「片翼飛行」島田一男「0番線」

佐野洋が、先月亡くなった。ちょうど、「片翼飛行」を読んだばかりだったから、印象深かったんだけど、佐野洋はほとんど読んでないんだ。lolol. 「推理日記」のうち何冊かは本屋で立ち読みした記憶があるし、他にも読んでるはずなんだけど、全然覚えてない。…

016 高橋由太「忘れ簪 つばめや仙次ふしぎ瓦版」江宮隆之「写楽の首 大江戸瓦版始末」浅黄斑「目黒の筍縁起 胡蝶屋銀治図譜(二)」

その時の時勢に合わせて時代物のヒールとヒーローが変わると書いたのは誰だったかわすれてしまった。 明治のクーデター政権は、江戸を貶めるためにたった10人ほどしか獄死していないものを安政の大獄と名づけて、井伊直弼を極悪人扱いしたし、アジアへ軍事…

015 東郷隆「明治通り沿い奇譚」 森真沙子「日本橋物語 蜻蛉屋お瑛」

ふと、気がついたら東郷隆の「明治通り沿い奇譚」を二回も古本屋で買っていた。なぜ、こんなことになったかというと、この本今まで一度も通読したことがなかったせいだ。ミステリではないし、主人公がサスペンスの迷路の底でにげまわるホラーでもない、通読…

014幡大介「公事師 卍屋甲太夫三代目」:主人公を食ったトリックスター登場

年末です。28日まで仕事があったので、29日は終日布団の中で眠り虚仮。30日の今日になって、やっと書く時間がとれました。というより、ブログ記事を書く気力が戻ったと言う方がただしいかな。とにかく、この夏以来、体調不良気味を通り越して、ほとん…

013 高橋由太「つばめや仙次 ふしぎ瓦版」、永尾まる「猫絵十兵衛 御伽草子 3」、岩合光昭「ネコを撮る」

5日の午後に駒込の仕官先に師走の書類を届けたあと、駒込停車場内の本屋をのぞいたら、永尾まるの絵が眼に留まった。文庫の表紙で江戸の優男の肩で足袋足の黒猫が緑の目を光らせている。長着の柄は百鬼夜行で、轆轤首に火炎傘の瓦版が猫と着物の間に張り付…

012「緋色からくり 女錠前師 謎とき帖一」田牧大和、「お医者同心中原龍之介 冬亀」和田はつ子 

古今東西、官僚組織が腐り始めると、役人は公僕の概念を喪失して公職の私物化に走る。仕事は組織維持(組織外一般人の疎外)のための最低限にとどめて、自己保身と自己利得の増大が行動原理となる。武家社会というのは、もともとその武力による手柄で自分の…

010 諸田玲子「あくじゃれ瓢六捕物帖 こんちき」 中里融司 「お歌舞伎夜兵衛颯爽剣 夜桜の舞」 西條奈加「烏金」

「明日はポストが少ないから休んでね」とアブレて、それならと古本屋に立ち寄って二冊ほど買ったところで、電話、「増員が出て、振り替えたら黄色服が足んなくなっちゃったから、明日も今日と同じところに行って。。。」、まあ、ガード人生なんてこんなもの…

009 二人の平蔵: 吉岡道夫「ぶらり平蔵 剣客参上」コスミック文庫2009年 早見俊 「せっこの平蔵道場ごよみ ちぎりの渡し」ベスト時代文庫 2008年

13日に静岡でJR東海の列車見張り員再講習があって、朝6時半東京駅集合で出張ってきました。往復の新幹線で二時間、たっぷり読めるなと思ったのだけど、阿佐ヶ谷ー東京間で Ian Rankin のblack and Blue の20頁ばかりを読んでて目の調子が良くないと気…

008 岳真也「湯屋守り源三郎捕物控6 本所ゆうれい橋」 祥伝社文庫 2010年 千野隆司「湯屋のお助け人 菖蒲の若侍」双葉文庫 2011年

書く順番からいうと、「二人の平蔵」(実際は鬼平を入れて、三人平蔵)なんだが、「ぶらり平蔵」シリーズはそこらへんに転がっているんだけど「せっこの平蔵」の方が見つからない。もう書いたと思って、捨てたのかもしれない。というわけで、先に湯屋の用心…

【私のミステリな日々】2010年9月下旬 風野真知雄 「穴屋佐平次難題始末」 徳間文庫 2008年  宮部みゆき 「ぼんくら 上・下」講談社文庫 2004年  畑中恵 「ちんぷんかん」新潮文庫 2009年

銀行で下ろしてみたら手数料がついた。あれ、ああそうか、世間は休日だったのだと、二日続きの雨の後の秋晴れの阿佐ヶ谷を見たら人の流れが多かった。 ◎風野真知雄 「穴屋佐平次難題始末」 徳間文庫 2008年 350円 定価590円 開けぬのは財布の底の…

005 二対の耳袋 風野真知雄「耳袋秘帳 妖談しにん橋」木村友馨「隠密廻り 朝寝坊起内 利き男」

小金井市の学芸大の前でにわか雨というか、雷雨に遭遇して植木屋の植え込み清掃工事がお昼で中止。お昼で中止なんてのは、何年ぶりだろう。いつも合羽は上しか着ないから、下はアンダーパンツまでびしょぬれで、腹が冷えた。下着を替えて毛布を引っかぶって…

004 Newsgroups: mystery/salon #2689 高橋克彦 『おこう紅絵歴』

Date: 24 Jul 2006 19:28:21 +0900 高橋克彦 『おこう紅絵歴』文春文庫 2006年 514円プラス税 『だまし絵歌麿』の道化回し同心仙波一之進が筆頭与力へと出世して、現場からちょっと遠ざかりつつあるのが、この「紅絵歴」。かわりに探偵役として、元芸者の一…

004 Newsgroups: mystery/salon #2685 チャンバラのリアリズム 牧秀彦

まあ、時代劇でこの国に広まったトンデモ情報といえば、峰打ちですね。それと足さばきもあるけど、それはまた書くことにしまして、鬼平犯科帳なんかで、しょっちゅうでてきますね、腕下の悪党と切り結ぶ時にチャリンと音がする感じで峰を返して、ザッと胴を…

003 たまさんへのレス

Date: 9 Jul 2006 11:00:10 +0900赤胴鈴之助と矢車剣之助が記憶に残っているチャンバラマンガですね。 もっとも、真空斬りってのは手刀でやるのだし、矢車の方は無限異次元カートリッジによる弾丸補給のコルトピースメイカーだったから、チャンバラじゃあな…

002-2英語の捕物帳 Loura Joh Rowland ;やばい

Date: 6 Jun 2006 18:15:51 +0900>Black Lotus (黒い水仙)水仙じゃなくって睡蓮です。 黒睡蓮の種の香っていえば、魔術師、錬金術師のくゆらすものと決まってる妖しさがあるのに、水仙じゃあ、横浜中華街のタダ茶じゃあないか。ああ、またボケが進行してい…

002 英語の捕物帳 Loura Joh Rowland

Date: 6 Jun 2006 17:27:45 +0900まあ、ちょっと、二月ほど飯のネタの資格勉強で横文字とネット封印してたので五月は、丸善にも紀伊国屋にもいかなかったのだが、久々に丸善にまわってトマトカレーを食べました。ついでに、Harlan Coben を2冊買って、Rita …

001 岡引の飯のネタは? 佐藤雅美 半次捕物控えシリーズ

Date: 18 Mar 2006 11:54:29 +0900 佐藤雅美 のデビューは江戸末の為替レート問題をテーマにした「大君の通貨」で、二冊目に読んだのは、田沼意次の経済政策評価の「主殿の税」。 (いや、これは目から鱗で、江戸時代の「改革」派三人衆、吉宗、定信、水野越…