003 吾妻ひでお 「失踪日記」
Date: 12 Jul 2005 19:03:09 +0900
イーストプレスから三月にでた。
知る人ゾ知るマンガ家吾妻ひでおの蒸発ノンフィクション。マンガ家がマンガでリアルライフを私小説風に書くと、みな面白いのだけど、これはとりわけおもしろい。
第一部が「夜を歩く」;一度目の失踪記録。死ぬつもり西武線沿線の山の中に入っていって、酔って首吊り失敗の果てのホームレスサバイバルノンフィクションマンガ。凍死寸前から、酒と食料を調達する能力に目覚めて、失踪前より太って、警察に保護されるまでの話。
第二部が、「町を歩く」;今度はただの蒸発。死ぬ気はさらさらなし。前回の体験でホームレス生活技術経験値があがってるので、余裕たっぷり。そのうち、ガス工事屋に路上でスカウトされて、ガス工事人にトラバーユ。ところが、同僚からもらった自転車が盗難自転車で、それで捕まってみたら、家族から捜索願がでていた。
第三部が、「アル中病棟」;二度の失踪のあとは、家に落ちついたのが裏目に出て、ついにアル中。入院退院のノンフィクション。
まあ、なんといったって、第一部が一番話が悲惨ゆえに面白い。
でも、第四部がかならずこのマンガ家はあるな。書けるかどうかはしらないけど。(笑い)
とり・みきさんとの対談がおまけについてます。(こっちは超薄めのカルピスですが)
ミステリ舞踏派久光