Mystery Paradise

元は今はなきアサヒネットのmystery paradise 会議室の分室のつもりだった。haha

002 モーリアティVSホームズ & フランケンシュタイン

Date: 7 Aug 2005 19:19:25 +0900

なんか、鶴田と橋本の三途の川リングに乱入するブルーザー・ブロディというような題だな。いや、ケンシローとラオウのリングに乱入するヴァイオレンス・ジャックか。

山田正紀 『エイダ」ハヤカワ文庫 1998年 定価740円プラス税 100円

ついに、シャーロック・ホームズの告白資料が出てきました。山田正紀がオリジナル資料の所在を明らかにしていないので、英語資料に当たれないのが残念ですが、この『エイダ』の episode II がそれなのです。

スイスに山スキーにでかけた、コナン・ドイルシャーロック・ホームズと邂逅するのです。滝に落ちたホームズを助けたのは、なんとフランケンシュタインであるとホームズは告白したのだ。
そうして、ホームズは、怪物フランケンシュタインが殺したことになってる、エリザベス殺人事件は、実はフランケンシュタイン博士が犯人であると捜査結果から推理するのである。

面白かったのは、このエピソードⅡまででした。あとは、並行世界ものSFのいかにもっともらしい科学的説明を物語でつけるかという作家の力技を延々と読まされるのです。ボディ・ビルダーのポージングを延々と見させられて、その横に弁士が立って、筋肉の説明をしてくれるような体験で、物語を纏め上げる作者の脳内の汗に感嘆するのみ。

なんかわくわくするラストシーンへとつながるのかと最終ページまで、読んでガックリした。どうせなら、ワトスン博士も一緒に実在化させて、ミステリ界のベストコンビによる「エイダ」追求の物語に書いてくれればよかったのにと、思うのです。それなら、ヤニ臭いコンビだけど、面白いエピソードが積み重ねられたろうに。時を越えて、ヨーロッパの闇を旅する探偵と記録者の物語。

ミステリ舞踏派@え?そんなら自分で書けって?
(暇ができたら133オペラで書こうかな。一度、じっくりシャーロックとカレーオデンでもつつきながらビールのんで、マリファナ吸ってみたいと思ってるから)