Mystery Paradise

元は今はなきアサヒネットのmystery paradise 会議室の分室のつもりだった。haha

002 英語の捕物帳 Loura Joh Rowland

Date: 6 Jun 2006 17:27:45 +0900

まあ、ちょっと、二月ほど飯のネタの資格勉強で横文字とネット封印してたので五月は、丸善にも紀伊国屋にもいかなかったのだが、久々に丸善にまわってトマトカレーを食べました。ついでに、Harlan Coben を2冊買って、Rita Mae Brownを検索してみたら OSばっかり、
    (あんなにダビンチコードをならべてるなら、数冊くらいおいておけよ。)
Anne Perry の第一次大戦歴史小説が3冊ならんでたけど、小考3分やめました。そのかわり、なんかいかがわしそうな題のものを見つけました。

Pillow Book of Lady Wisteria by Laura Joh Rowland

お、Black Lotus (黒い水仙)というのが翻訳で話題になってたような気がする、外人の書いた江戸時代ミステリじゃないか!というんで2作目の Pillow Book of Lady Wisteria を衝動買いしてしまった。カレーを食べながら、最初の方を読むとこれが面白い。
こんな感じ;
      呼出しは明け方だった。
エド・キャッスルはシティの丘に君臨してるのだが、そのワッチタワーと高屋根は氷でコーティングされた鉄のように空へ延びていた。二名のショーガンのアテンダントとそのソルジャーが馬を馳せて、キャッスルの中を走り、コートのハイオフィシャルの住むマンションを取り囲むバラックへと向っていた。冷たい突風はソルジャーの旗指物を吹きあおり、ランタンの煙を吹き流している。彼等はサノ・イチローの門の前で馬から下りた。サノ・イチローはショーガンの「sosakan-sama」の一人でモスト・オノラブル・インヴェステゲイター オブ イヴェンツ、シチュエイションズ アンド ピープル なのである。

実に異国風味たっぷりで、まるでファンタジイの出だしみたいではありませぬか。
まあ、最初の10ページほど拾い読みしたら、将軍の後継ぎが吉原で殺されたという大事件なんですねえ。(笑い)
まあ、むっちゃくちゃです。日本人の時代物常識からすると。でも、その常識も映画とマンガとテレビでつくられてるんだから、似たり寄ったりだから、うるさいことはいわない約束でしょ。

作者は中国と韓国の移民の三世の女性だそうで、ミシガン大卒の微生物学専攻で(microbiology を辞書引いてない;汗)学位は公衆衛生学を持ってる。現在はニューオルリンズで旦那と三匹の猫と住んでるそうな。

デンバー・ポストの書評は、サノは刀をキャリーして、キモノを着てるが、フィリップ・マーローとサム・スペイドのアンセスターなのだ・・・とか。

どう?おもしろそうでしょう。
モスト・オノラブル・インヴェステゲイター オブ イヴェンツ、シチュエイションズ アンド ピープルってのは、「超目付け」とでも訳すのかなあ、モスト・オノラブルってのは、大貴族につけるんだから、譜代大名クラスだろうと思うのだが。老中待遇大目付かな。

ミステリ舞踏派久光@2007/07/16時点では、「側目付け」と訳すべきかと思う。
それならば、側用人柳沢吉保が政治的ライバルとみなすに十分の地位でしょう。