Mystery Paradise

元は今はなきアサヒネットのmystery paradise 会議室の分室のつもりだった。haha

【私のミステリな日々】八月下旬 久光 東理夫 「暁の翼の男 ワイキキ探偵事務所3」藤田宜永 「パリを掘り返せ」東野圭吾 「鳥人計画」藤田宜永 「地獄までドリブル」広山義慶「夏回帰線」赤川次郎 「灰の中の悪魔」藤田宜永 「標的の向こう側」

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Date: 20 Sep 1999 19:55:55 +0900

パセリのオフで、ディーディーさんから、スカジーボードを入れて、IRQがおかしくなった経験を教えてもらった。彼の場合、95の再インストールの度に、スカジーボードを引っこ抜いて、インストール後に差すということをしばしば繰り返したそうな。終いには、躯体カバーをはずしっぱなしにしたとか。
うむ、似たような状態に僕の芸投影もある。モデムを買って来たけど、これを入れて、ちゃんとポートが認識されるかどうかわからない。
ともあれ、これは、会社に置いてあるバイオから、送ろう。
(2007年注:このころ歌舞伎町のビル管理会社に勤めていて、事務所に、自分のバイオを持ち込んで仕事と趣味に兼用していたのでした)

◎東 理夫 「暁の翼の男 ワイキキ探偵事務所3」光文社文庫 1990年  380円(古本屋で100円)

この作者のハワイシリーズ、第三作。もぐりの私立探偵キョーヘイのところにリンドバーグ(あの大西洋横断した有名な飛行士)の心臓を探しに、日本人の老人がやって来る。心臓は口実で、実は、アメリカ大統領の暗殺が目的だったのだが、その動機は戦中によくあったらしいのだが、米軍の跳ね上がり操縦士が一般の市民を戦闘機から銃撃して殺したという事件だった。老人は機番号から、操縦士を特定し、その男がが大統領になっているのを知った・・・
まあ、謎は、ほとんどない。少なくとも本格派風パズルの謎は。ないけれど探偵物語になっていて、仕事の都合で盆休みがなくなった男の、電話もかかってこない、事務所の留守番の時間潰しの読書としては最適でした。読み終わって、後口のいいお話でした。ああ、また、ハワイに行きたいなあ。

◎藤田 宜永 「パリを掘り返せ」徳間文庫 1995年 660円(古本屋で300円) 単行本は、1992年。

ロスアンゼルスの地下が石油だらけなのは、知っていたけど、パリ盆地の下に石油があるなんて、しらなかった。
テキサスで石油掘りを覚えた東山俊太郎が、ナチ占領下のパリで、日本軍人に強制されて、石油堀を始めたが、いつのまにか、レジスタンスと関わり、レジスタンスに肩入れするようになる。さあ、石油は出るか、レジスタンスといっしょに、ナチの手から脱出できるか・・・実に面白かった。でも、これは、ミステリではなく冒険小説でした。
裏表紙に、「長編冒険小説」とちゃあんと書かれてあった。
パリにも行きたいなあ。
(2007注:まあ、このころはパリとかハワイとかけっこう現実味があったんですいまや、完全な夢と化してしまってますが)

◎東野 圭吾 「鳥人計画」新潮文庫 1994年 480円 (古本屋で200円)

暑いときは、雪のある季節の話が読みたいと買って、熱帯夜の午前3時に読み上げた。単行本は1989年。
あんまり、この作家買ってなかったのだけれど、このジャンプ一発で見直した。

万年二位のジャンパーの沢村が、どうしても勝てなかった天才ジャンパーが毒物死して、日の目がやっと当たるかと思ったら、天才ジャンパーによく似たフォームで飛ぶ新人に、またもや後塵を拝まされるはめになり、そのトレーニングの秘密を探ろうとする。それが殺人事件の真実をも明らかにしてしまうという、お話。

◎藤田 宜永 「地獄までドリブル」光文社文庫 1994年 540円(古本屋で250円)

阿佐ヶ谷のパールセンターの青梅街道よりのビルの地下に出来て、まだ1年くらいの古本屋で、藤田の本が三冊並んでいたのを、まとめて買った。その二冊め。
パリの日本人相手の旅行代理店のマネージャーの西貝の息子が誘拐事件の犯人と間違えられて、ダーティハリーを気取る警官に射たれた。裁判になったが、判事は無罪を宣告。そのショックで息子は自殺する。西貝は、判事と警官を射殺するこを決心、つけねらい始めたとたんに、判事も警官も殺されて、西貝は容疑者として追われることになった。
元警視の私立探偵シュベヌマン、ガボン移民の少年オマールと奇妙なトリオを組んで、西貝は息子の死の真相を追いかけると、息子のパトリックが親に見せなかった闇が見えて来た。息子の死も自殺ではなく殺人事件であったことがわかる。背景にあったのは、フランスサッカー界を牛耳る勢力の秘密だった。最後はそのボスに捕まって危機一髪。辛くも逆転ゴールが決まって、西貝は元のマネージャーの生活へ戻っていく。
不満があるとすれば、なんで逆転ゴールの瞬間にオマールを殺しちゃうのだ・・・ということくらいか。単行本は1992年。

◎広山 義慶「夏回帰線」角川文庫 1994年 520円 (古本屋で100円)

初出が、1985年。ワゴンセールから拾い上げて、10ページほど読んで、うん、これ、暗いなあ・・・
> 三十六年目の英霊か。
が書き出しだもの。
こういう時は、解説者で決める。勝目梓。では、買ってみようか。
まあ、過去を暴く話ですから、後味はよくなるわけもないけど、人間の業とか、人生の落し穴とか、そういう文学風味が好きな方には受けるかもしれない。
章題が、「序章」「エンジュの十字架」「点と線」「過去からの声」「老兵の沈黙」「二人の孤児」「娼婦マヤ」「仮面の男」「張込み」「翡翠の胸飾り」「終章」とどっかで聞いたような題なのが気になります。広山氏が趣向を凝らしているような気がするんですが。
でもカバー裏のコピーは何とかならないかなあ。
『・・・終戦直後の未曾有の混乱期、運命的に結び付けられた少女と少年の三十六年にわたる愛欲のなれの果てを藤代警部の捜査を通して痛切に描いた感動の名作。長編本格推理。』
「愛欲のなれの果て」・・・これ読んで、買う気になるかなあ。誰だろう、こんなキャッチコピーを書いたのは。

◎赤川 次郎 「灰の中の悪魔」光文社文庫 1990年420円 (古本屋で100円)

女子高校生トリオの悪魔シリーズの第1作なんだそうです。
1998ー99年に「高2V進学コース」に、連載されたとか。昔は「高2コース」というのがあった・・・そういえば、最近福武書店との競争にまけて、廃刊になったというニュースがあったような。
学内脅迫事件がテーマです。
学内脅迫、女の子のトリオ探偵・・・なんか、この設定はあったなあと思ったら、介錯の「三銃士事件帖」(1998年12月から連載中)だった。多分、気がつかないうちに介錯は赤川の影響うけてますね。悪魔の方が花園学園、三銃士の方が華星学園だし。
読んで、一月たったら、ほとんど筋を忘れてしまったところも・・・
また、古本屋で見つけたら買いかねないです(笑い)。

◎藤田 宜永 「標的の向こう側」角川文庫 1996年 680円 (古本屋で330円)

今年、古本屋で初めて見つけてから、見つけると新本古本も問わず速攻で買うという作家になってしまった。
初出は、1987年だから、角川は、ずいぶんと文庫にしなかったものです。
探偵は、フランス国籍の日系私立探偵、鈴切信吾。パリで信吾は暴力団の組長の娘と日本から駆け落ちして来たチンピラを助けるはめになる。そのチンピラの姉がスペインの富豪と結婚していて、その姉から信吾は夫の浮気調査を依頼される。調査を始めないうちに、夫が愛人のところで殺された。パリ−スペイン−パリとハードボイルドな展開で、センチメンタルハードボイルドな結末。ガラスの鍵が好きな人は読んで損のないお話です。それと青池のエロイカシリーズの好きな方にも。

以上、今年の夏は暑かった・・・けど、けっこう安眠していたクーラー苦手なミステリ舞踏派久光
ASAHI Net BBB Service - 07/ 7/29 21:12:42
to------------------------------------------------------------kokomade.
うん、しかし、書く気力と時間がいっぱいあったんですねえ。
最近、くたびれてるのかなあ。でも、過去のログを読み返すと、また書く気がわいてくる。
ミステリ舞踏派久光@それにしても今年の夏も暑いなあ。