Mystery Paradise

元は今はなきアサヒネットのmystery paradise 会議室の分室のつもりだった。haha

005[comics]008 新谷かおる「クリスティ・ハイテンション7」「クリスティ・ロンドンマッシブ1」池田邦彦「シャーロッキアン」

正月休みもあと三日となって、少し足を鍛えねばと阿佐ヶ谷から東中野まで歩くことにしたのだが、途中高円寺で朝飯をエクセシオールカフェでクラムチャウダーとクロワッサンで取ったりして中休みを入れ、中野のブロードウエイについたときはトータルで61分歩いていた。まんだらけが12時開店というので明屋書店明屋は「はるきや」と読む)をのぞいたら、「クリスティ・ロンドンマッシブ1」が一冊だけ並んでた。即購入、でブロードウエイ1Fのミヤマカフェで読んでしまった。歩く方は、そこでおしまい。まんだらけに入ったら古い時間の中で生体エネルギィが吸い取られて、もう歩く気力なんか老人からはなくなる。電車で戻ってきて一眠り。

新谷かおる「クリスティ・ハイテンション7」MFコミック メディアファクトリー 2011年552円+税

シャーロック・ウイリアム・ホームズの姪のレディ・クリスタル・マーガレット・ホープは、御歳十歳、ホープ侯爵家の長女で、推理能力は叔父ゆずり。スーパーメイドのコンビのメイド長二丁拳銃アンヌ・マリーとメイドのフルグラム鞭使いノーラを従えて、叔父の事務所に入り浸り事件捜査に首をつっこんで解決しまくっていたが、7巻目でホームズ物語から大きくはみ出した。
つまり、東インド会社のお偉いさんのホープ侯爵は、インド経営策の一環として、各地の藩王マハラジャ)の抱えている武力集団=暗殺部隊の一掃に乗り出し、一人のマハラジャ以外のお抱え暗殺部隊(サグ)を無力化することに成功したのだという。おさまらないのは、最後のサグで、侯爵暗殺を企むが元海賊『スマトラの大鼠(ジャイアントラット)』達のガードが固くて手が出せない。されば、任期を終えて侯爵夫妻と長男が帰国する前に、イングランド本国の留守番をしているレディ・クリスタルを血祭りに揚げんと、50人ほどのサグの部隊をロンドンに送り込んできた。大鼠もこれを阻止せんと、娘のナーダに腕利きの戦士を二人つけてロンドンに送り込んできた。
クリスティは、ロンドンを捜索するより、自邸におびき寄せて戦う戦略を選んで、これにホームズとワトソンも応援に加わり、警戒するうちに、サグ達の夜襲が開始される。
サグ達を撃退して、ロンドン警視庁の応援部隊が暗殺者たちを逮捕しまくるが、屋敷は焼け落ちてしまった。幸い守備方は全員無傷。クリスティは両親と弟の乗った船のついた埠頭へ走っていく。
と、ここで少女クリスティの冒険は一度幕が下ろされた。
うん、実際探偵役が子どもでは事件も限られてしまうから、いい見極めかもしれないと思った。ちょっぴりさびしかったのも事実。
まあ、ホームズもののオリジナルというのは、アジア人ロシア人ドイツ人アイリッシュは犯罪者・イングランド社会の敵という文化背景を背負ってるんだけど、新谷はインド人海賊をクリスティ側につけて、中和させようと試みてる。あんまり成功してはいないけど、努力は買おう。マンガだから難しいことは言わない約束でしょ、ですね。

新谷カオル「クリスティ・ロンドンマッシブ1」MFコミック 2012年 メディアファクトリー 552円+税

クリスティが17歳になって戻ってきた。
ホープ侯爵は公爵になり、領地のルートンへ引っ込んでしまい、クリスティはハムステッドの館でルートン公のロンドン代理みたいなことになっている。つまり毎日がパーティという本人が子どものころは嫌っていたレディの生活。
スーパーメイドのアンヌ・マリーは警視庁のデクスター刑事(警部補に昇進)と結婚して寿引退、変わりに、ノーラがメイド長で、新たなスーパーメイドというかエプロンっ子みたいな三人組、怪力(ワンダーウーマンですねlololol)グラディス、邪眼美少女アネット、魔道趣味陰気少女バーサを引き連れて、クリスティの探偵ゴッコをアシストしている。
1巻目「ロシアン老婆事件」事件は、三人の建築技師の顔をつぶされた死体が次々と出てきた。ホームズは、死体の体格がエンジニアらしくないことに注目していた。クリスティは、アンヌマリーの亭主のデクスター警部補(ハイテンション時代に較べると野性味というかヤクザっぽさが消えて、むしろ少年化が進んでるような)から借りた「現状写真」三枚に共通してに写ってるロシア帽の老婆に注目して、エプロン子を連れて探索を開始する。
現れてきたのは、帝政ロシアの影で、クリスティとバーサはロシア政治警察に捕らえられてしまう。救いに駆けつけるノーラとグラディス、アネットも間にあわないかというところに現れたのが『教授』ことモーリアリティ、ホームズの宿敵。教授に救われて危機を脱出。教授が見逃そうとしたロシアスパイの乗った船を撃沈してしまったのは、バーサが黒魔術で呼び出したわけの分らぬモンスターってところが、わははははは。
これからの展開が楽しみですねえ。

池田邦彦「シャーロッキアン1」「シャーロッキアン2」「シャーロッキアン3」Action Comics 双葉社 2012年

600円+税
私立大の論理学教授の車路久(くるまみちひさ)はシャーロックホームズマニアの異名でもある正統派のシャーロッキアンで、その推理能力はドイルのホームズ並。その学生の原田愛里は小学生の時に読んだ「シャーロック・ホームズの冒険」以来のホームズマニア。この二人が出会って、オリジナル(『聖典』と呼ぶとか)には名前だけしか出てこない事件の謎解きやら、オリジナルの各編のキャラクタの矛盾点とその解釈を紹介しながら、日本人社会の世話物的謎を解決しつつ、教授と学生の恋物語が進行していくというシリーズ。
まあ、甘いっていえば甘いんだけどね。
うん、4巻目が出たら買うかなあ?こういうくすぐったい切ない甘さの人情ものって嫌いじゃないんだけどね。