Mystery Paradise

元は今はなきアサヒネットのmystery paradise 会議室の分室のつもりだった。haha

【私のミステリな日々】七月上旬 柴田よしき「ネコは引っ越しで顔あらう」

柴田よしき「ネコは引っ越しで顔あらう」猫探偵正太郎の冒険 4

光文社文庫 2006.

冒険の三がちょっと期待外れというか、好みではなかったので、これもだめかと、本屋で手にとって、おお、正太郎がちゃんと歩きまわっていると、即購入。古本屋でみつけたのだが、最近一読即売の人が増えているらしい。ありがたいことです。(笑い)

正太郎のママが東京へ出てきて、神楽坂の庭付きの一戸建てに住み始める。
室内猫だった正太郎が、ついに室外デビューするのです。案内役は、大家の飼い猫のフルハタ・ニンザブロー。フルフルとニンニンとも呼ばれている。
最初の事件は、この部屋さがしの東京放浪中におきる。物件を見に行くと、なぜか、カップヌードルの空きカップが必ずどこかにおいてある。これは不思議だ。ミステリィです。
テレビCMで温泉で若い女の子ふたりがふうふうずるずると食べているのを見た、正太郎のママの売れないミステリ小説家桜川ひとみは、ひらめき一発推理でこの謎を解いた。

二つ目の事件は、引越しでガスが抜けたエアコンのせいでママは毎日図書館通い。家に閉じ込められた正太郎は、ちゃんと縁の下への脱出口を発見、フルハタ・ニンザブローと近くの神社へ涼みにでかける。途中、ママの本を買う男を見かけた。三匹が神社で涼んでいると、境内の古本市へ買ったばかりのママの本を、中古本の間にさしこんでいく件の男を目撃する。この男はなにをしているのだ?三匹の猫がそれぞれの推理を披露する。さあ、正解は、正太郎かニンニンか、フルフルか。

三つ目は、ママと正太郎の借りている家に幽霊が出るという噂を正太郎は耳にする。全く過去の存在となった老作家が小さな柴犬のミミ子とすんでいたのだが、ある日ニンニンとフルフルが床下の抜け穴をとおって家の中に入ると、作家は鴨居からぶら下がり、その足元には毛布に包まれた病死したミミ子が置かれていた。
警察は、愛犬を失った老人の後追い自殺と落着処理。そのあと入った借家人の高木という男は、家の中を小さな柴犬の幽霊が走りまわると難癖を大家につけ、三月分の家賃を踏み倒して出ていった。次ぎに入った犬嫌いの借家人は、地獄の犬が庭を走りまわると、大家を罵倒したが、そのとき同席していた大家の姪は、犬は幽霊なんだから実害はないとののしり返した。完全にびびった犬嫌いの借家人は、敷金を返してもらって即引越していった。
三人目が、ママと正太郎だったわけだ。
正太郎の家の大きな炬燵が気に入ったニンニンとフルフルはぬくぬくと正太郎と、この幽霊事件を推理をしていたのだが、三匹が炬燵から顔を出すと、窓の向こうにガラスに鼻先をくっつけた大きな犬がいた。
ふみゃみゃみゃみゃあああああああ・・・
で、結末は、いや、事件の顛末は、是非文庫をお買いくださいな。

ミステリ舞踏派久光@もっかハーランコーベンのDrop Shot 読んでいます。
Myron と Win のやりとりは、やはり英語じゃないと面白くないですね。
(とわかったようなことを書いてるなあ。でも日本語訳でよんでも、こういうウイットの応酬みたいなところは、音=声が聞こえてこないので、今一つなんですよね)
それにしても暑いこと。寒暖計は37度だもんな。
mystery/salon #2684