Mystery Paradise

元は今はなきアサヒネットのmystery paradise 会議室の分室のつもりだった。haha

002 週刊朝日3・25増大号表紙写真の嘆きの女

裸足で、ショートパンツの若い茶髪女性が泣いている。仙台閖上の路上に座り込んで。
右足の横には、脱いだばかりの赤い長靴。
背景は津波が引いた後の瓦礫の山、その向うには傾いた家の骨組みだけ。

撮ったのは朝日新聞社のカメラマンの恒成利幸。

なんとも悲痛で悲哀に満ちた写真だった。何の説明もいらない喪失の悲しみ。
災害見物人でしかない舞踏派は、ため息ついて写真を眺めて泣いた。泣くしかないじゃないか。
これ以上なんの言葉を重ねる必要がある?

と思ってたらDaily Mail の David Jones は記者魂というか記者根性というか外人らしく日本人ならこれ以上、彼女の内へ踏み込まないという文化限界がないものだから、この写真に衝撃を受けた後、

Rather strangely, she had removed her red rubber boots and placed them neatly beside her, but the fact that she sat barefooted amid the wreckage somehow made the picture more poignant.
冷静な野次馬見物人根性を出すんですね。

So who was this tormented woman, with her fashionable clothes and hairstyle, and what was the story behind her anguish?

彼女は誰?彼女は何故かくも悲痛に嘆いていたのか?
で、ついに彼女を避難所をめぐって発見する。
その記事がこれ。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1373731/Japan-tsunami-Woman-iconic-picture-reunited-grandmother-dogs.html

その紹介がなんと朝鮮日報で日本語で読める。
http://www.chosunonline.com/news/20110409000015

(まあ、デイリーメイルの記事の何処にも書いてないカメラマンの所属をAP通信写真記者と誤読跳躍訳したりもしてるけど、それはご愛嬌。でもナイトクラブのホステスと直訳すればいいのに、飲食店で働いていたなんてのは、いただけない。水商売に偏見でもあるみたいである)
28歳の彼女は13匹の犬を飼っていた。土方の夫と母と三人で暮らしていて、幸い三人とも無事で、夫のお婆ちゃんも無事だった。が、13頭の犬を二階に避難させていたのだが、家ごと全く消えていた。彼女が裸足で座り込んでいた場所が家のあったところだったのだ。
彼女は消えた13頭の飼い犬の運命に絶望して泣いていたのだった。

まあ、これだけなら、いかにも英国向け動物愛護風味の記事であったろうが、彼女は犬を探し回って、保護されていた二頭に出会ったのである。そうして避難所はペット可だったから、残りの犬達を探し回っているけれど、彼女は笑顔で写真に写って、再び世界中に配信されたのである。

Daily Mail の記事に10個のコメントがついていて、英語圏の犬好きたちから祝福のメッセージがよせられているのを読むのは I'm glad to read ってやつです。

ま、上のリンクはそのうち消えるだろうから、そうしたら、保存したテキストを拙訳で載せなおします。
朝鮮日報のリンクは、log in しないと読めなくなってますが、上の要約以上詳しく書いても大差ないと思いますので、全訳は時間かかるのであきらめます。。。ヘタレだなあ、我ながら(笑い)4/17)

ともかく、よかった。よかった。
でも犬13頭も奥さんに飼わせてた土方の旦那ってのも甲斐性のある男みたいですねえ。顔見てみたいなあ。
(4/17 以下追記)
このリンクもすごいというか、あきれます。死んでもカメラを離さない。。。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1376914/A-floody-miracle-The-brave-reporter-caught-force-tsunami--SURVIVED.html

ラッキィなことに生き延びたけど、カメラは水没、せっかくの写真は幻。まあ、命と引き換えたと思えば安いもんだ。助かってよかったですねえ。

ミステリ舞踏派