Mystery Paradise

元は今はなきアサヒネットのmystery paradise 会議室の分室のつもりだった。haha

005 [comics]Jay.「SHERLOCK ピンク色の研究」 池田邦彦「シャーロッキアン! 4」新谷かおる「クリスティ・ロンドンマッシブ2」

今年読んだシャーロック・ホームズパロディコミックは、三冊かな。
痛む胃を温め癒すシャーロック

Jay.「SHERLOCK ピンク色の研究」2013年株式会社KADOKAWA 定価560円プラス税

2010年BBC製作のテレビドラマの漫画化作品。多分、忠実にドラマを絵にしてるんだと思う。 ヤングエースという角川の月刊誌連載されたもので、元が良く出来てるから、それなりに読ませてくれます。ホームズ・ワトソンコンビが携帯電話にPCの21世紀に現れたら、こんな話になるだろうというシャーロッキアンのお遊びサービス精神があちこちにちりばめられていて、楽しめます。
アフガン派遣イギリス軍負傷戦場医ワトソンが警察「コンサルタント」ホームズにであってベーカー街221Bに住みだす。社会生活不適応者ホームズという設定も今風だけど、四件の連続自殺事件の犯人がサイコっぽいのも今風ミステリです。狩る方も狩られる方も心を病んでいるというのが、犯罪認識でガス灯時代とかわっているところなんだろうなあ。危ない探偵にヤバイ犯罪者。追うほうも追われるほうも心を病んでいる。変質者のロンドンならぬロンド。
うん、ミステリの筋としてはごく普通かなあ。
マンガを読めば、BBCのオリジナルを見たくなる。というので探してみたら、あった。
Youtubeにはなんと仏語訳のついた動画がある。そのシャーロックは、ちょっと若すぎるなあ。ワトソンもそうだ。もっとおっさんだと思うんだけどなあ。そういう意味では、マンガのオジサン顔のコンビの方が出来がいいかな。lol.
元がパロディなんだから、本格的に批評したらあかん・・・・・
でもね、水戸黄門シリーズみたいなホームズドラマってないもんかなあ。lololol.

池田邦彦「シャーロッキアン!4」2013年 双葉社 200円 定価6百円プラス税

もう続きが出ても買うまいと思ってたものに、古本屋ででくわして、うん、200円ならどうなってるか見てみようかと買った。(心貧しきものは懐も寂しいのだ。)
中年男と女子大学生のラブコメというじめついたサイドストーリーが細くなって、ホームズパロディが表に出てきて、いままでのものより良くなってると思った。
『カレーの問題』『ビートンのクリスマス年鑑』ともうひとつ、ホームズとクリスティのすれ違い話がおさめられています。
『カレーの問題』は、女子大生のバイト先の先輩が結婚して、夫に凝りに凝ったラムカレーを出した。ところが夫から「このカレーにはなんか妙な薬がはいっているんじゃないだろうね」と言われ、チキンカレーを作ったら「このカレーは古い肉をつかってはいないだろうね」と言われた新妻は落ち込んで、女子大生に泣きつく。ヒロインの女子大生は、最初の台詞は、「名馬シルバープレイス事件」を踏まえたシャーロッキアンのジョークだと解き明かすが、チキンの方は分らず、車教授に相談する。車教授は「海軍条約事件」が背景にあると教え、ハドスン夫人のカレーのチキンは少し古い肉を使っただろうというシャーロッキアンには周知の知識を披露する。イギリスの給料払いは土曜日の週払いだから、ハドスン夫人がメニューを出した木曜日は給料日前で肉も少し日にちがたっていただろう。とすると、それを使って冷蔵庫のない時代だから、スパイスを聞かせたカレーを作ったんじゃないか・・・・ヒロインはでも、それにしても夫はカレーが口に合わないと遠まわしに言ってるだけじゃないと言うと、教授は夫婦なんてものはそんなに単純なものじゃないのだよと、解決策をアドバイスして、夫婦仲はしっくりと修復される・・・・・・うん、人情物になってますね。lololol
『ビートンのクリスマス年鑑』は、近所の子ども達が作っているBSI(ベイカーストリートイレギュラーズ:あの小汚い浮浪児たちのホームズ親衛隊というか遊撃隊を真似た馬場町ストリートイレギュラーズ)のメンバーが近所のガレージセイルでクリスマス年鑑を見つけ、値段は2万円。本物臭いんだけど、子ども達の小遣いを集めても一万3千円たりないから、お姉さん協力してとバイトのお金がはいったばかりのヒロインにもちかける。またもや、人情物になるんだけどね。この話のネタの選び方がいいんですねえ。1887年の年鑑に、ホームズものの作品第一番「緋色の研究」が掲載されているんです。もう、この素材の選び方だけで、シャーロッキアンというには不勉強すぎるミステリ舞踏派はわくわくと楽しくなっちゃうんですねえ。本物なら1千万越える本が2万円。さあ、あなたなら、買いますか?lololol.
うん、この2作みたいなものを書いてくれるなら、新本で買うリストに「シャーロッキアン!」を復活させますね。

新谷かおる「クリスティ・ロンドンマッシヴ 2」2013年メディアファクトリー 定価552円プラス税

うん、この題名誰がつけたんだろう? massive は形容詞なんで、こんな名詞を並べて最後には来ないと思うんだけどなあ。手持ちの辞書には見当たらないんで、ネット検索する。London Massiveでひっかけると、これが出てくるんだが、この固有名詞化しているものがfacebook にもあるんだ。ロックバンドのコラボレーションみたいなギグの大掛かりなものをmassive というみたいと思いつつ、さらに London Massive で検索。すると、また見つかる。
West London Massiveとか、South London Maasiveというのを開いてみるとグーグルの地図の町案内が出る。これって西ロンドン広域 とか南ロンドン広域という意味なのかとおもったが、どうやらmassive guide みたいな意味をmassive と名詞化させてるみたいです。
ならNewYork Massiveってのもあるかと、検索すると、New York Travel Massive というのがでてきた。
New York Travel Massive is a regular meet up in Manhattan that brings together, travel brands, travel bloggers, and travel startups. Part of the global Travel Massive network, the purpose of this group is to connect people in the travel industry locally while sharing a drink or two along the way. Come join us!
うん、なんか健全な出会い系サイトみたいなもんか。
これから考えると、Massiveというのは、meetup と同義かな。出会い場所とでも訳すのか、このmeet up は?とにかく、この語もぼくの持ってる辞書にはないのだ。
やはり、「クリスティのロンドン案内」あたりに訳しておくのが適当かなあ。lolol
まあ、筋の方は、クリスティがモーリアティ教授と手を組んで、女王暗殺を阻止する話なのですね。ホームズが7頁しか出てこないのに、教授は49頁も出てくる。事件名は、The Adventure of the crutch of aluminium 「アルミの松葉杖事件。」